自分の中にいろんな自分がいます。
              怒っている自分、笑っている自分、
              泣いている自分、拗ねている自分、
              荘厳な自分もいれば、劣等感や罪悪感を抱える自分もいます。
              このいろんな自分の気持ちに丁寧に寄り添い、本当の自分に統合していくことが
              「セルフインテグレーション」です。このプロセスこそが、この世に生まれてきた意味(目的)ではないかと思っています。
              そして、この統合のプロセスを導いてくれるのが「身体」です。
              身体は心のメッセージであり、病気を創るのも治すのも心。薬ではなく、まず心の声に気づくことが大切です。身体の声を聴くことで、言葉と体の関係を理解し、これからの生き方を変えていくことができます。
            
            
                中国の古い言葉に
                小医は病を医す 中医は人を医す 大医は国を医す
                というものがあります。
                西洋医学は人ではなく、病気に焦点をあて、手術や薬で治療をします。
                代替療法の多くは、人に焦点をあて、全人的に治療をします。
                梯谷メソッドは、その方の生きる目的を見出し、
                人生をより豊かに生きることをサポートします。
                
                また、
                「鳥の目」「魚の目」「虫の目」
                という言葉があります。
                
                「虫の目」は、複眼です。つまり「近づいて」さまざまな角度から物事を見るということ。
                「鳥の目」とは、高い位置から「俯瞰的に全体を見回して」見るということ。
                「魚の目」とは、潮の流れや干潮満潮という「流れ」を見るということ。
                
                つまり、「小医は病を医す、中医は人を医す、大医は国を医す」は病気を診る視点が異なっているにすぎないのです。
                西洋医学は救急や高度医療は優れています。
                急な病気や怪我などは西洋医学で対症療法を行い、
                代替療法で心と体を癒し、梯谷メソッドで病気の根本原因を解消する。
                そして、未病には個人の心身の生活習慣はもちろん、社会全体の意識が変わる必要があります。
                社会の意識が変わると、国を癒すことに繋がります。
                大、中、小、優劣関係なく、全てが必要な要素だということです。
                
                私は西洋医学の医師として、トランスフォーメーショナルコーチ®として、単に病気という一部分を診るのではなく、病気はその方のどんな情報なのだろうか?という視点で、近づいて様々な角度から眺め、俯瞰して眺め、病気を通して、その方の人生において、その方の進化成長のために、病気が何のために必要なのか?その方の生きる目的は何か?という観点から心と体を繋いでいきます。
                
                私はひとりひとりの価値を創造し、命をめいっぱい輝かせる役割があるのだと確信しました。
                それが『心医』です。
              
                物心ついた頃から、どうして生きているんだろうと思っていました。小学校の時いじめにあい、その後も人間関係に悩み、生きているのが辛いと思っていました。
                
                父に憧れて医師になりましたが、病気の根本原因はほとんど分かっておらず治療も対象療法がほとんど。いつしか病院の収益のため、訴訟回避のために、必要のない点滴や薬を出すようになっていました。そして、家庭問題から次々と体調不良に見舞われ、何のために生きているのか、何のための医療なのか分からなくなり死にたいと思っていました。
                
                そんな時、友人ががんであることを知り、駆り立てられるように本を読み漁り、心理学、脳科学、東洋医学など学び、根本的な解決には意識(心)を変えることではないかと考えるようになりました。
                
                そして、梯谷幸司氏と出会いました。梯谷氏は『本当の自分とズレている時に病気になる』と。そもそも病気は自分で創っているのだというのです。自分で創っていたのなら、自分でやめることもできる。
                言葉と心理技術を使い、役に立たない信じ込みや不要な記憶を書き換えることによって、 身体に作用し、病気も改善することができます。
              
“病気を診るのではなく人を診る”
これは正に私が求めていた真の医療の形でした。
                昔から、“病は気から”と言われていますが、“気”というのは、心の奥の“信念・信じ込み”だったのです。
                その信じ込みは、病気の原因となるだけではなく、人間関係やパートナーシップ、ビジネスにも影響を与えていることが分かりました。そして病気や怪我、ネガティブな体験には全て意味があり、本当の自分を思い出すため、使命に気付くための出来事なのです。
                
                私自身多くの信じ込みがあり、その信じ込みが自分自身を傷つけ、パートナーを傷つけ、子供たちをも苦しめていたことに気付いたのです。
                信じ込みを丁寧に洗い出し、心の奥の本当の自分を見出すことによって、自分の花粉症をやめ、離婚寸前だった夫婦仲は改善し、今では家事も手伝ってくれるようになりました。
              
              内科医・心理カウンセラー
野上徳子